コウモリが屋根裏やベランダに現れて、「自分でなんとかできないか」と思った方は多いと思います。追い出しグッズはホームセンターでも手に入りますし、調べれば手順も出てきます。ただ、コウモリは法律で守られている動物で、やってよいことと、やってはいけないことの線引きが思っていたよりはっきりしているんです。
『ガイノワ』のシンです。コウモリの追い出しを自分でやろうとして、途中でトラブルになったケースをいくつか見てきました。法律違反のリスク、高所作業での転落、フンへの接触といった話は、あとから「先に確認しておけばよかった」となりやすい部分です。今回は、自分でできる範囲と、そうでない場面を順にほどいていきます。
コウモリと法律の話をまず確認する
コウモリは鳥獣保護管理法の対象動物で、無許可での捕獲・殺傷・飼育は禁止されています。違反すると1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があります。害を受けていても、「邪魔だから捕まえる」「殺虫剤で殺す」は法律上アウトです。
ただし、追い出すこと自体は禁止されていません。忌避剤を使ってコウモリを嫌がらせ、住みにくくして外へ出ていかせる方法は、各自治体でも自衛のための対応として認められています。「駆除(捕まえる・殺す)」と「追い出し(忌避剤で誘導する)」は、法律上は別の話です。
自分でやってよい範囲はここまで
自力でできる範囲として、まず大きいのは状況の記録です。いつ、どの場所で、どのくらいの頻度でコウモリの気配があるかをメモしておくと、その後の判断がしやすくなります。フンの量や位置、出入りしている時間帯も残しておくとよいです。
追い出しの手段としては、忌避スプレーやハッカ油、燻煙剤などが使われます。屋根裏や軒下などコウモリが潜んでいる場所に向けて使うことで、嫌がって出ていくのを促す方法です。ただし、侵入口を特定できていない場合や、数が多いと思われる場合は、自力での完結は難しいことが多いです。
- コウモリの出入りする場所・時間帯を記録する
- フンの位置・量を確認する
- 忌避スプレーやハッカ油を使った追い出し
- 侵入口が特定できた場合の封鎖(地上付近の作業)
- 追い出し後に出入りがないかを確認する
ここに挙げたことは、条件が整っていれば自力で対応できる範囲です。ただし「侵入口の封鎖」は、高所作業や屋根裏作業が伴う場合は無理しないほうがよい場面があります。次の章で詳しく触れます。
自力でやると危ない場面とは
コウモリの侵入口は、軒下・屋根の隙間・換気口など、高さのある場所に多いです。足場なしで確認しようとすると転落リスクが出てきます。「ちょっと見るだけ」のつもりが、脚立から落ちたという話は珍しくありません。これは被害の大小に関係なく、作業する場所と高さの問題です。

高所の封鎖作業、ここはわたしなら勢いで決めたくないです
もう一つ気をつけたいのがフンへの接触です。コウモリのフンには菌やウイルスが含まれる可能性があり、素手で触れたり、乾燥したフンを吸い込んだりすることで健康被害が出るケースが報告されています。清掃する際は、マスク・ゴム手袋・ゴーグルを着用し、フンが乾燥している状態では掃き掃除を避けて、湿らせてから拭き取る方が安全です。
- やってはいけないこと
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捕まえる・殺す・素手で触れる・乾いたフンを掃き散らす・高所を安全装備なしで確認する
業者に頼む目安はどこか
次のような状況に当てはまるなら、自力での完結は難しいと考えたほうが現実的です。侵入口が複数あるか特定できない、屋根裏への作業が必要、コウモリの数が多いと思われる、忌避剤を使っても戻ってくる、フンが大量に出ている。このあたりが重なるほど、業者に確認したほうが早い場面です。
コウモリは帰巣本能があるため、追い出しだけでは戻ってくることが多いです。侵入口を完全に塞ぐことが再発防止の核心で、それを自力でやり切るには技術と安全装備の両方が必要です。一度プロに確認してもらい、どの口から入っているかだけでも教えてもらう使い方もあります。
追い出しを試みるなら時期も見ておく
コウモリの追い出しは、夏から秋の間(子育て期が終わった9月〜10月前後)が比較的動かしやすい時期といわれています。春から夏の子育て期は、巣の中に幼獣がいることが多く、追い出してもすぐ元に戻るケースがあります。また幼獣がいる状態で侵入口を塞ぐのは、余計なトラブルにつながる場合もあります。
日没後に出てくる時間帯を確認しながら、どの出入口を使っているかを記録しておくと、追い出し後の封鎖がスムーズになります。時期と時間帯をある程度見てから動くのが、自力でやれる範囲で成功しやすい進め方です。
判断に迷ったら先に確認を一つだけ
コウモリの追い出しを自分でやってよいかどうかは、「高所作業が伴うか」「侵入口が特定できているか」「数が少ないか」で大きく変わります。この3点がそろっていれば、忌避剤を使った追い出しを試すことはできます。1点でも曖昧な場合は、先に業者に状況を見せてみるのも一つの判断です。
法律面でいえば、追い出し自体は問題ありません。ただし捕獲・殺傷は許可のない個人には認められていないため、「早くいなくなってほしい」という気持ちで強引に対処しないことだけは守っておきたいところです。
気配があると思ったら、まず夜に家のまわりを観察して、どこから出入りしているかを確認するところから始めてみてください。そこから判断が動き出しやすくなります。











