屋根裏から物音がして、テンかもしれないと調べ始めた方から、「どこから入ってきたのかが分からない」という話をよく聞きます。外を見て回っても、明らかな穴が見つからないケースも多い。そういうときは、建物の周りの樹木や雨どいが侵入を助けている可能性を先に確認してみることをすすめています。
『ガイノワ』のシンです。今回は、テンがどこから建物の中へ入ってくるのか、その経路のパターンと、自分で見ていい範囲、業者へつなぐ目安をまとめました。
テンがよく使う侵入経路
テンは登ることが非常に得意な動物で、垂直に近い面でも壁をつたって上れます。農林水産省のマニュアルには、野生個体が2m幅の跳躍をできると記されており、建物の周り2m以内に利用できる樹木や物置があれば、それ自体が侵入の足がかりになります。
雨どい(縦樋)も経路として使われやすい場所のひとつです。樹木から屋根に直接届かない場合でも、縦樋をつたって上へ出るルートが選ばれることがあります。実際に調査に入ると、縦樋の表面にテンの爪痕が残っているケースが確認されています。屋根周辺の穴が見当たらないときほど、こちらを先に疑う価値があります。
侵入を助けやすい建物の特徴
テンが通れる隙間のサイズは、5cm角以下を目安にするとよいとされています。瓦の浮き、破風板や軒天のすき間、屋根と外壁が接する部分のわずかなゆるみ。こうした場所は普段は気づきにくく、足跡やフンの形跡がないと存在にも気づかないことが多い。
電柱の支線、ぶどう棚のワイヤーなど、1mm以上の径の線が建物近くにある場合も、テンが渡って移動できると言われています。隣家との境にある塀やフェンスも同様で、外から見ただけでは「経路にはならないだろう」と判断しがちな箇所が、実際には使われていることがある。外回りを見るときは、建物に2m以内で接しているものをひとつずつ確認するのが基本です。
侵入口の見つけ方と確認の順番
侵入口を探すには、まず外から建物の周りを一周して、足跡・フン・擦れた汚れ・爪痕がないかを確認します。縦樋の付け根、軒天の隅、換気口のカバーまわりは特に見落としやすいので、丁寧に見たいところです。

縦樋に爪痕があれば、その上の屋根まわりが怪しい
屋根の上からの入り口は、地上からは確認が難しいことが多い。高所に上らないと見えない破風の隙間や、瓦のずれは、無理に自分で見に行く必要はありません。地上から確認できる範囲をひと通り見て、それ以上が難しければ、業者に調査を依頼する流れで考えてよいと思います。
自分で見てよい範囲と難しい場面
建物の周囲の樹木の剪定や、隣接する物置・フェンスとの距離を確認するのは自分でできます。雨どいの排出口に金網を取り付けることも、地上から手の届く範囲であれば試せる対策のひとつです。建物へのアクセスを減らすという意味では、まずこの周辺を見直すだけでも変わってくることがあります。
ただ、すでに屋根裏に入られている場合は、中にテンが残ったままで入口だけ塞ぐと閉じ込める形になり、かえって状況が複雑になります。自力で封鎖を急ぐより、まず「今も中にいるかどうか」を確認してから次の手を考えるほうが、あとから困りにくい。
侵入口を封鎖するときの注意点
封鎖に使う素材は、パンチングメタルや金網が基本です。テンの歯や爪に耐えるためには、薄い板やテープ類では数日で破られることがあります。隙間を塞ぐ際の素材選びは、材質と固定の強度を両方見ておくことが大事です。
封鎖の順番も問題になります。追い出しが先で、封鎖はその後というのが基本の流れです。この順番を逆にすると、出られなくなったテンが屋根裏でさらに暴れ、断熱材や配線へのダメージが広がることがある。急いで何かしたい気持ちはよく分かるのですが、ここは手順を守るほうが結果として早く終わります。
業者へつなぐ目安
外回りを確認しても侵入口が見当たらない、屋根上を見ないと分からないと判断した時点で、業者への相談を考えてよい段階です。高所作業がともなう封鎖は、転落リスクだけでなく、封鎖する箇所を見落とす可能性も高くなるため、自力でやり切るのは難しい。
フンや尿のにおいがすでに出ている場合は、清掃・消毒・消臭もセットで頼む必要があります。テンのマーキング臭が屋根裏に残っていると、再侵入のきっかけになるとも言われています。追い出し・封鎖・清掃・消臭が一括でできる業者を選ぶのが、再発を減らす上での基本的な考え方です。
- 外から見ても侵入口が特定できない
- 屋根上・高所の確認が必要そう
- フン・尿のにおいがすでにある
- 追い出しは済んでも封鎖に自信がない
- 一度封鎖したがまた入られた
上のうち1つでも当てはまれば、自力でやり切ろうとするよりも業者に相談するほうが時間もコストも抑えやすいことが多いです。
侵入口の確認から再発防止へ
テンの侵入経路は、目立った穴より先に、樹木・雨どい・ワイヤーといった建物への「アクセス手段」を確認するのが順番として自然です。外回りの2m以内に何があるかを見ることが、侵入口を探すより先の一歩になります。
封鎖の作業は、追い出しが終わってから、素材と固定の強度を確認しながら進めること。高所が絡む箇所や、においがすでに広がっている場合は、業者に一括で対応を頼む方向で考えてみてください。
まず建物の外を一周して、2m以内に樹木や物置がないかを確認するところから始めてみてください。それだけで、どこを見ればいいかが少し見えてくると思います。












